ショートブレッドの奥深い世界を1冊にまとめました。菓子としてだけではなく、セイボリーアレンジなども紹介したりと、ショートブレッドだけをここまで深く掘り下げた本は初めてです。
ショートブレッド(Shortbread)とは、名前にブレッドとつきますが、パン(Bread)ではなく、スコットランド発祥の国民的人気の高いビスケットです。イギリスには沢山ビスケットがありますが、ショートブレッドはホームメイドから商品まで、幅広く流通している人気のお菓子です。
本書はお菓子初心者からイギリス菓子の初心者、さらに中級者およびマニアにも向けた内容構成となっています。ショートブレッドの基本の作り方、アレンジとしてセイボリー、さらにはショートブレッドと共に楽しむディップなどの多彩なレシピを写真とともに紹介しています。またショートブレッドの語源や歴史についても説明しています。これまでイギリス菓子を幅広く取り上げた本はありますが、ショートブレッドに特化したものはなく、1つの菓子を掘り下げた初のレシピ本となります。
内容はまずは基本のショートブレッドの作り方を写真付きで解説しています。ショートブレッドの材料は小麦粉、バター、砂糖に好みで塩少々というシンプルなもの。基本に米粉を混ぜた1番人気の「フィンガー・ショートブレッド」をはじめ、アーモンド、シナモンやアールグレイ、全粒粉やオートミールなどを加えた応用レシピも掲載しています。
また、スコットランド女王メアリーが好んだとされる「ペティコート・テイル」という、丸型でふちにひだが入ったタイプも紹介。ひだの入れ方のコツも写真でわかりやすく解説しています。他にも伝統の木型やクローバー型を使ったものなど多彩な形のバリエーションも本書のみどころのひとつです。
さらに本書では、アレンジ編としてショートブレッドのセイボリーについてもフィーチャーしています。チェダー&ポピーシード、ベーコン&メープルシロップ、ブラックオリーブやトマトなどを生地に加えており、これらはアペリティフのフィンガーフートとして、サイダーやスパークリングワインなどと合わせられます。
またショートブレットと一緒に楽しむワカモレやフツーツチャツネ、スモークサーモン&クリームチーズのディップなども紹介しています。これら食事系レシピは日常の食卓ではもちろんのこと、ホームパーティーなどで役に立つことでしょう。
もうひとつ本書の魅力は随所に織り交ぜたコラムです。アールグレイのルーツ、ラプサンスーションやセイロン紅茶を広めた人物の話、またリンゴ酒サイダー、昨今注目のイギリス産スパークリングワインなどについても紹介しています。
伝統菓子だけではない、日常の様々なシーンで楽しめる新しい顔のショートブレットに出合えることでしょう。
イギリスの深い歴史の中で、長く愛されてきたショートブレッド。
シンプルな基本のショートブレッドのみならず 現代では様々なバリエーションが街には溢れています。
チョコレートチップやドライフルーツ、スパイス、ハーブを入れたものなどアレンジは無限大。
ショートブレッドは今までも、そしてこれからも愛されていくお菓子に違いありません。
(本書「はじめに」より一部抜粋)
本書ではショートブレッドのレシピはもちろん、語源や歴史、ショートブレッドにまつわるコラムなどを多数記載。
イギリスの菓子文化、紅茶文化のことがよく分かる1冊です。
(photo by 山下亮一)
フィンガーショートブレッド誰もが大好きな一番人気。プレゼントにもティータイムにも。 |
レーズンショートブレッド甘いレーズンに加えたキャラウェイシードの清涼感が隠し味。 |
全粒粉のショートブレッド全粒粉のプチプチとした食感は格別。 |
ミリオネアショートブレッド百万長者のショートブレッド。リッチなテイストを楽しんで。 |
オートショートブレッドオーツ麦の産地スコットランド。日常的なオートミールを使って。 |
スタンプ・ショートブレッド木型やスタンプは模様がつきやすい生地を使って。 |
ショートブレッドクリスマスツリークリスマスのウェルカムティーと共に。オーナメントとしても可愛い。 |
ソールケーキショートブレッドとスコーンの中間のような食感。 |
ミンスミートショートブレッドスクエアイギリスの味ミンスミートをショートブレッドでサンドして。 |
メープルとベーコンのショートブレッド甘みと塩味のハーモニー。紅茶でもワインでもビールでも。 |
ローズマリーとパルメザンチーズのショートブレッドハーブ&チーズが奏でる豊かな風味。 |
スティルトンとセージのショートブレッドブルーチーズとセージが醸す、お酒に合わせたい味わい。 |