顔色や肌の状態で「今日は調子がいい、悪い」と感じている人は多いと思いますが、それが体調だけではなく隠れた不調・病気や体質までわかるサインだと知っている人は少ないのではないでしょうか。超人気漢方家が、顔でセルフ健診する方法と養生法を教えます。
顔は「不調のサイン」をうつし出す鏡です。顔をみるだけで、自分の体やこころの状態から、体質、不調とその原因、隠れた病気のリスク、不調改善するためのセルフケア法まで、さまざまなことがわかります。人気漢方家がわかりやすく教える「おうち健診」と「ゆるゆる養生」で、今日から私が「私の主治医」に!
朝、鏡にうつる自分の顔をみながら「あー、なんだか調子悪い。今朝は目の下にクマが出てるし」と思ったり、家族や友人の顔をみて「今日は血色がいいね」とか「顔色が悪いよ、大丈夫? 」と声をかけたりすることがあると思います。
それを中医学(東洋医学の一種)の専門家がもっと細かくみることを、“望診(ぼうしん)"といいます。専門家は専門知識と理論をもとに望診を行いますが、理論などを知らなくても、みなさんも日々なんとなく“望診"をしているのです。
本書を読むと、普段みなさんが漠然と行っている“望診"を少し専門的にできるようになります。つまり、私たちが日常的にやっていることを少し意識的に行って、顔の変化を観察していだけで、なぜそれが起こっているのか、どんな不調や異常のサインなのかを判断できるようになるのです。
さらに、自分の体質や気をつけたい病気までわかります。病気の手前の“未病(みびょう)"を発見し、病院へ行くほどではない「なんとなく不調……」という状態の改善に役立つ養生法(セルフケア法)を知ることもできます。
ここまで読んで「でも、東洋医学ってなんだかハードルが高そうだし、養生法も難しいのでは? 」と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、そんな方にこそ、本書をおすすめします。著者・櫻井大典さんが日ごろツイートしている、ゆるい養生つぶやきと同様、本書で紹介する養生法も、食養生を中心とする簡単なものばかり。また、顔のチェックもパーツごとに多数の状態を項目出ししているので、鏡をみて、自分があてはまる項目のページを読むだけで簡単にできるようになっています。
ほんの少しの知識があれば、何か不調が出ても慌てなくてすみます。
自分の体とこころは、自分でととのえる。
小さな不調は、ゆるい養生で改善する。
あなたも、鏡で顔をみて、体とこころをラクにしましょう。
自分で自分の体調や気分を把握し、コントロールできるということは、今の時代にとても必要な力です。未曽有のウイルス感染症の流行をきっかけに、すべてを医者まかせ、薬頼みにするのではなく、自分の体のことをもっと自分で理解したい、守りたいと考える人が増えていると感じます。
この本を手に、おうちでセルフ健診をしてください。まいにちの習慣にすれば、病気のサインに気づくことができたり、慢性的な不調が解消したりするはずです。ぜひ今日から、あなた自身が“あなたの主治医”になりましょう。(「はじめに」より)
おうち健診の方法 |
目をみる |
口をみる |
まいにち鏡をみるときに顔の各パーツの状態もみて、本書に書いてある項目に当てはまるかをチェックしましょう。 | 疲れやストレスの影響が出やすいのが目や目の周りです。こころの元気度や五臓の「肝(かん)」の状態がわかります。 | 消化器官とつながっていて食べ物の入口である口をみれば、胃腸の調子や五臓の「脾(ひ)」の状態がわかります。 |
舌をみる |
歯と歯ぐきをみる |
鼻をみる |
実は体の状態が一番わかりやすくあらわれるのが舌。体内の窓口のようなパーツなので、鏡をみるときは舌を出してチェックしましょう。 | 成長や老化と深くかかわるのが歯。体や骨の元気度や、五臓の「腎(じん)」と「脾(ひ)」の状態がわかります。 | 呼吸器のひとつである鼻。鼻水も一緒にチェックすれば、呼吸器トラブルの有無や五臓の「肺(はい)」の状態がわかります。 |
顔全体をみる |
髪と頭皮をみる |
爪をみる |
顔色や肌の状態をチェックしましょう。体全体の健康状態や五臓の「肺(はい)」の調子がわかります。 | 中医学では髪のことを血余(けつよ)といいます。血が足りなかったり血流が悪かったりなど、血の状態が髪や頭皮にあらわれます。 | 顔以外に爪もみましょう。現在の体調だけでなく、近い過去にどんな不調があったかもわかります。 |
Twitterで大人気の漢方家がわかりやすく教える、セルフ健康チェック(望診)とセルフケア(ゆるゆる養生)。
あなたも鏡で顔をみて、体とこころをととのえましょう。
おもな内容
序章 おうち健診をはじめる前に ~中医学の基本~
中医学の基本を知れば、「セルフ望診=漢方的おうち健診」の理解も深まります。ここでは本書でよく出てくる「気血水(きけつすい)」や「五臓(ごぞう)」のことを簡単に紹介します。
1章 顔をみて不調のサインに気づこう
おうち健診の実践編です。下記の8パーツをみて、今、体とこころがどんな状態にあるのか、どんな不調が起きる(起きている)のか、改善するための養生法がわかります。
「目」をみる
「口」をみる
「舌」をみる
「鼻」をみる
「顔全体」をみる
「髪・頭皮」をみる
「爪」をみる
2章 自分の体質を知って五臓をいたわろう
望診を続けると、自分の体質の傾向がわかり、五臓のどこが弱りやすいのかもわかってきますが、ここではせっかちな方のために、すぐわかる五臓タイプのチェックリストとともに、五臓それぞれの特徴や弱っている(弱りやすい)人向けの養生法を紹介します。
「肝(かん)」の特徴と養生
「心(しん)」の特徴と養生
「脾(ひ)」の特徴と養生
「肺(はい)」の特徴と養生
「腎(じん)」の特徴と養生
3章 まいにち&緊急の不調も養生で改善しよう
この章は、顔からではなく、すでに抱えている具体的な不調そのものからアプローチします。慢性的な(まいにちの)不調には、食事や生活改善でゆるく効いていく養生法を、急性の(緊急の)不調には即効性のある養生法を紹介します。
《まいにち》
冷え 疲れやすい 肩こり 腰痛 関節痛 四十肩・五十肩 便秘 生理不順 PMS むくみ 肥満 食欲が異常にある 食欲がない 不眠 だるさ 気分の落ち込み / イライラ めまい エイジング 更年期障害 アレルギー体質 多汗症、汗が異常に出る 尿トラブル(頻尿、尿漏れ) 薄毛 精力減退
《緊急》
頭痛 生理痛 胸やけ 胃痛 二日酔い 下痢 寒気 くしゃみ のどの痛み、腫れ 咳 花粉症 熱中症 耳鳴り 乗り物酔い こむら返り
巻末
気血水チェックリスト
おすすめ食材一覧表